監督のアイヴァン・ライトマンと脚本・出演のハロルド・ライミスは78年の作品『アニマル・ハウス』以来、いくつかの作品でコンビを組んできた。それに対してダン・エイクロイドとビル・マーレイはもちろんサタデー・ナイト・ライブの出身、この2組の才能が合わさってひとつの作品として結実したのがこの『ゴーストバスターズ』である。
基本的にはサタデー・ナイト・ライブのナンセンスなばかばかしさを引き継ぎつつ、そこに映画らしいプロットの面白さやウィットにとんだ仕掛けを組み込んでいった感じである。ジョン・ベルーシなら『ブルース・ブラザース』のようにナンセンスなばかばかしいギャグで2時間引っ張れるが、ビル・マーレイではそれは厳しい。なので、このような作品になってしかるべきだったというところだろう。
しかし、この作品に関してはそのことが非常にうまく転んだ。単純なコメディにするのではなく、そこに恋やら、神話やら、謎解きやら、特撮やら、様々な要素をミックスして、ひとつのエンターテインメントとして完成させる。これぞまさにハリウッド、80年代のハリウッドはどうも迷走していた感があるが、この作品はその中で至極まっとうにハリウッド的な作品なのだ。 この作品に出演したビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス、この3人は現在にたるまでハリウッド的な小品を作り続けているし、『エイリアン』でブレイクしたはずが今ひとつパッとしなかったシガニー・ウィーヴァーもこの作品で開眼したのか、コメディにも出演してトップ女優になった。
この映画はつまりは、80年代のハリウッドを映す鏡なのではないかと思う。テレビから出てきた人たちを起用し、大きな予算でくだらないことをやる。迫力を増すためにSFXを多用する。
特に、SFXの面では、今見るとかなり貧弱な感じはするが、それでもこの頃、技術的に大きく飛躍していったように思える。70年代はまだ特撮あるいは視覚効果と呼ばれる合成とかいったレベルの技術だったのが、この頃になってコンピュータを使ったりなんだりするいわゆるSFXが多用されるようになった。
そして、この作品の悪ノリ度(敵の親玉を“マシュマロ・マン”にしてしまうという悪ノリ度)は、80年代のどこか浮ついた空気を象徴しているように思える。レイ・パーカー・Jrの主題かも、そんな浮ついた感じ、80年代らしい軽い感じを見事に表している。
と、分析的なことを書きましたが、その前にまず映画として面白いことは言うまでもない。見たことがない人は、意外に展開にハラハラしてしまうだろうし、昔に見たけどなぁ…という人でも、細かいギャグの面白さがあったり、意外にしっかり作られているという新しい発見があったり、と楽しめる。特に、敵のゴーストの設定などは実にしっかりと組み立てられていて、今のとにかく迫力で圧倒してしまおうという映画よりよっぽどリアルだ。
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