タイトルからしてジョーズのようなパニック映画を彷彿とさせる。が、トマトなのでもちろんパロディ。なのだが、これが意外にまっとうなパロディだった。予想としては、案外まじめに作っていて、コメディというよりはパニック映画の失敗作という感じを期待していたのに、あまりにまっとうすぎて拍子抜けという感じである。
トマトが人を襲うという発想が面白いのは、トマトというものがどう考えても怖くないからである。だから、実はまっとうにコメディにしてしまうとあまり面白くなくなってしまう。このギャグは「トマトが人を襲う」という事実を提示しただけで終わってしまうからだ。そのギャグを見て観客は「トマトかよ」と突っ込んで終わってしまう。しかも、そのギャグはタイトルとして提示されているから、それがギャグならば、この映画は始まる前に終わってしまっているということになる。
しかし、パロディではなく、トマトが人を襲うということを全くまじめに描くのなら、それはギャグであり続けることができる。襲われるという緊張感が高まるたびに、それがトマトであるという拍子抜けがやってくるからだ。
したがってイカ映画(イカれているけどイカす映画)としては、この映画今ひとつということになる。イカれていることは確かだけれど、コメディならばイカれているのが当然で、それだけではちっともイカしていないからだ。 つまりこの映画はとにかくハチャメチャなバカバカしいコメディ映画であり、例えばジョン・ランディスの『サボテン・ブラザーズ』のような系統の映画である。が、『サボテン・ブラザーズ』が1986年であるのに対し、この映画のオリジナルは1978年、つまりこの映画はそういったバカバカしい映画の先駆けと位置づけることができるのかもしれない。
そういう意味では、この映画(のオリジナル)はイカしている。裏映画史のようなものを書くとしたら、この映画は間違いなく、その1ページを構成することになるだろう。
しかしそれでもやはりなんだか脱力するような映画で、激しく好き嫌いがある映画だとも思う。
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