アダム・サンドラーはいつもちょっと抜けたいい人のような気がする。コメディアンだけれど、バカはやらず、ちょっとしんみりさせてしまう。そうなると、ギャグの部分を担当するのは、それ以外の人ということになって、この映画ではジョン・タトゥーロとスティーヴ・ブシェミという2人の強烈キャラが登場する。その2人の名前を見ると、どうしてもコーエン兄弟を連想してしまうけれど、特に関連はなさそうで、ただ淡白なアダム・サンドラーと対置させるキャラクターとして選ばれたというだけなのかもしれないと思う。
アダム・サンドラーはSNL出身ということなので、おバカなギャグは得意なはずだし、『プロゴルファー・ギル』のあたりではかなりバカもやっていたような気がする。しかし、『ウェディング・シンガー』がヒットして、調子に乗ったジャック・ジャラプト(プロデューサー)はその方向で次々と作品を作ってしまう。さらにおバカ系に回帰した『リトル★ニッキー』が散々な結果で、もうこれはトム・ハンクスのラインをいくしかないと思ったのか、ハート・ウォーミング・コメディばかりを繰り出してくるようになってしまったわけである。
ということでこの作品、特に新しさはない。まあ、取り立てるべきことがあるとしたら、ジョン・タトゥーロとウィノナ・ライダーではないかと思う。ジョン・タトゥーロは果てしなくキャラクターが濃い。そしてこのキャラクターの設定はなんだかいい。これはこの監督の仕込だろうから、アダム・サンドラーがというよりはこの監督スティーヴン・ブリルが面白いのか…
と思ったので、この監督について調べてみると、監督としては『リトル・ニッキー』が事実上のデビュー作。ただ「飛べないアヒル」シリーズの脚本を担当しており、ついでに『セックスと嘘とビデオテープ』に出ているらしい。どの役なんだ…
さて、それからウィノナ・ライダー。この作品はあの万引き事件の後の作品ということで、そのあたりはちょっと注目されたわけたということもある。さすがに無難にこなしている感はあるけれど、一気に年をとったような印象だ。やつれているというわけではなく、逆に太ったんじゃないかという感じがするが、小じわが寄っていたりして、可憐なイメージは失われてしまったようだ。映画がどうのよりもスターの悲哀を感じてしまったが、これを期に味のある女優さんになってくれるといいな、などと余計なことを考えながら観てしまった。
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