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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

2004/3/15
The Lord of the Rings: The Two Towers
2002年,アメリカ=ニュージーランド,179分

 
            
     
 
 『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の第2作。
 前作でサムと2人で旅を続けることとなったフロドはあとを追ってくる怪しい影に気づく。それは指輪のもとの持ち主ゴラム。そのゴラムを捕らえたフロドとサムは怪しみながらも彼をモルドールへの道案内とする。
 一方アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人が追うメリーとピピンをさらったオークはサルマンの元へと急いでいた。その通り道にあるローハンでは王がサルマンとその手先グリマに操られて国が危うくなっていた。
 とにかくスケールの大きい作品だけに、この第2作はつなぎとなる説明的なエピソードが増えてしまい、第1作のダイナミズムに少々かげりが見られたが、その分をCGなどで補ったという感じ。
監督 ピーター・ジャクソン
原作 J・R・R・トールキン
脚本 ピーター・ジャクソン
    フラン・ウォルシュ
    フィリッパ・ボーエンズ
    スティーヴン・シンクレア
撮影 アンドリュー・レスニー
音楽 ハワード・ショア

出演 イライジャ・ウッド
    イアン・マッケラン
    リヴ・タイラー
    ヴィゴー・モーテンセン
    ショーン・アスティン
    ジョン・リス=デイヴィス
    クリストファー・リー
    オーランド・ブルーム

 

 

 

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション

 

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション

 

 

 
 3部作の第2作というのは非常に難しい。観客の興味を引き止めつつ、物語のつながりをしっかりと説明し、しかもひとつの作品として面白くなければならない。この作品は第1作から第3作への橋渡しという役割は十分すぎるくらいに果たしている。もともと原作が3部作だからやりやすかったというのもあるかもしれないが、ともかく「起承転結」の「承」と「転」の部分をうまく映像化していると思う。
 二手に分かれた旅の仲間のそれぞれの展開を時間軸に沿ってより合わせて展開し、しかもフロドのほうではなく、アラゴルン、レゴラス、ギムリの側の展開を多めに見せる。基本的にはフロドの旅のほうが主プロットなわけだから、そちらを多く見せそうなものだが、この第2作で重要なのは逆のプロットであり、おそらくこれが複線となって第3作に効いてくるのだろう。
 そして、主プロットのフロドのほうでは大主人公であるフロドの存在感が薄れていく。フロドよりもサムとゴラムがそのプロットを引っ張っていく存在になる。サムは単なる従者から主人公のひとりに、ゴラムは物語の別の側面を支える存在となる。特にサムはこの第2作の主プロットでは主役と言ってもいいだろう。この映画が退屈にならなかったのはサムがヒーローとして活躍したからだ。第1作ではフロドが主人公で、観客はフロドの視線へと引き込まれていったが、この第2作では、サムの視線へと引き込まれていく。そしてそのコインの裏表のようにゴラムの存在がある。
 もうひとつのプロットのほうではアラゴルンが主人公である。アラゴルンは第1作からフロド、ガンダルフと並ぶ主人公だったから、この展開は順当といえば順当で、第1作から引き続き見ていけばまったく抵抗なく物語りに入っていくことができる。

 つまり、第1作からのつながりとしては主人公をアラゴルンとした人間/エルフ対サルマンという物語が展開され、第3作につながる展開としてはフロドからサムへと主人公が移行しつつ指輪を捨てる旅の物語が展開されるというわけだ。
 というように、第1作から第3作への橋渡しという意味ではかなりうまく構成されているということができるわけだが、ひとつの作品としての面白さはどうなのか? と思うが、「おもしろさ」を出すためにかなりいろいろな工夫が凝らされていることは確か。特に顕著なのは様々なキャラクターやファンタジックな生き物の導入である。第1作ではファンタジーではあったが、ひとつのファンタジー世界が提示されるだけで、細部にはそれほど言及していなかった。しかし、この第2作ではどんどんとその細部に入っていき、ファンタジックな生き物が次々と出てくる。それがまた迫力があって、アクションシーンはかなり面白い。
 第1作は物語の導入でもあるので、物語で観客を引き込まなくてはならないけれど、第2作ではビジュアルの部分で観客を引き込もうということか。そういう意味では圧倒的な力があって楽しめるともいえる。個人的にはもっと物語でぐんぐん引っ張ってほしいですが、そうするとあまりに難解になりすぎて付いていけないということにもなりかねないので、第2作としてはこれでいいのだと思う。
 第3作が物語では第1作をビジュアルでは第2作を超える作品になることを祈りつつ、第1作に続き未完成の映画であるという感想も書き加えておく。