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黄金狂時代

2004/1/6
The Gold Rush
1925年,アメリカ,72分

監督
チャールズ・チャップリン
脚本
チャールズ・チャップリン
撮影
ローランド・トザロー
音楽
チャールズ・チャップリン
出演
チャールズ・チャップリン
ジョージア・ヘイル
マック・スウェイン
トム・マーレイ
preview
 アラスカで起こったゴールドラッシュ、男たちは一攫千金を夢見て極寒の地へと探検に行く。チャップリンもそんな探険家の一人を演じ、巨漢の金鉱掘りジムと指名手配されている極悪人のラーソンと一つ小屋の中に閉じ込められてしまう。くじ引きでラーソンが食料調達に行くことになるが、残された二人はさらに飢えていく。
 靴を食べるシーンなどあまりに有名なチャップリンの代表作。何度見てもそのコミカルな動きに笑ってしまい、チャップリンの天才と、すべてのコメディの原型を見て、映画の面白さを再確認するのだ。
review
 チャップリンがすごいのはわかっている。しかし、やはり「すごいなぁ」と感心してしまう。この作品にはチャップリンが後年、音楽とナレーションをつけたバージョンがあり、今回はそれを見たのだが、そのように音が入ってトーキーに近づいても、あるいは近づいたことでさらに、サイレント役者としてのチャップリンのすごさが際立つ。チャップリンの演技に言葉は要らない。ナレーションがつけられたことによってこの映画は情報量が増えただろうか? いや決してそんなことはなく、チャップリンの動きや表情で言葉以上のことが伝わってくる。ナレーションは、わかりやすくなったという幻想を与えこそはすれ、それ以上の何の役にも立っていない。むしろ逆にサイレントでのチャップリンのすごさを引き立てるだけなのかもしれない。
 この映画にはあまりに有名なシーンがいくつもある。その筆頭に上げられるのは靴を食べるシーンである。靴を食べる。あまりに有名で当たり前のような気もするけれど、実はそれを平然とやってのけるチャップリンはすごいのだと思う。しかし、靴に見える靴ではないものを食べて靴を食べているように見せるというのはそれほど大変なことではないかもしれない(発想の面白さはさすがチャップリンということだが)。それよりむしろ、そのだいぶ後に豆の煮たものを食べるシーンがある。このシーンではチャップリンは実は何も食べていない。皿の中には何もなく、ただ食べているふりをしているだけなのだが、これがとてもうまい。漫然と見ていると食べているフリだとは気づかない。
 もう一つ有名なシーンといえば、小屋が傾くシーンである。このシーンはどんどんスピードアップしていく展開の面白さと、同じような行動を反復する面白さによって非常に印象的なシーンになっている。スリルに溢れたサスペンスフルなシーンであるにもかかわらず、そこにあるのは笑いなのだ。本当は緊張感でぴんと張り詰めてもよさそうなシーンを完全な笑いに持っていく。これがチャップリンのすごさであり、この映画全体に見られる特徴でもある。
 そしてそれは、実際に起こったら決して笑えないようなことを映画の中で笑いにする。ということであり、ここにはチャップリンの映画の本質があるような気がする。現実を真摯に受け止め、それを笑いとして提示する。しかもそれはパロディ化するのでもなく、茶化すのでもなく、シニカルに構えるのでもなく、正面から捉えながら、それでも笑えるものにしてしまう。それがチャップリンらしさというものなのか、とふと思う。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ50年代以前

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