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コンフェッション

2003/9/2
Confessions of a Dangerous Mind
2002年,アメリカ,113分

 
            
     
 
 1981年、失意の底に沈んだ男は安ホテルに閉じこもり、恋人の言葉にも耳を貸さない。その男チャック・バリスは若くしてTVの可能性を信じてマンハッタンでテレビ局に入るが、いくらアイデアを出しても採用されることなく、つらい生活が続いていた。そんな彼にある日、謎の男がCIAの仕事をしないかと持ちかけてくる。番組の売込みが成功するまで、と軽い気持ちで引き受けたチャックだったが、その仕事とは暗殺だった…
 70年代に売れっ子だったTVプロデューサーのチャック・バリスが実はCIAの工作員をしていたと告白した自伝をスティーヴン・ソダーバーグ総揮のもと、チャーリー・カウフマン脚本、ジョージ・クルーニー監督で映画化。豪華キャストに懐かしい音楽とヒットする要素はそろったが、今ひとつパンチが弱い。
監督 ジョージ・クルーニー
原作 チャック・バリス
脚本 チャーリー・カウフマン
撮影 ニュートン・トーマス・サイジェル
音楽 アレックス・ワーマン

出演 サム・ロックウェル
    ドリュー・バリモア
    ジョージ・クルーニー
    ジュリア・ロバーツ
    ルドガー・ハウアー
    ブラッド・ピット
    マット・デイモン
    ダスティン・ホフマン

 

 

 

コンフェッション

 

 

 
 現実とも夢ともつかない世界を描くのはチャーリー・カウフマンの得意技だが、この映画は少々夢のほうにより過ぎた感がある。原作が自伝ということで、基本的には事実ということだが、あくまでそれは自伝であり、嘘かもしれない。あるいは夢かもしれない。この映画を見る限りでは、それは夢だった、あるいは虚偽だったという印象を得る。それは多分チャーリー・カウフマンがそのように脚色したからだろう。
 なんといっても、時間の経過の仕方がおかしい。映画は1981年から始まり、1950年代に遡って、そこから始まるわけだが、となるとこのチャック・バリスの年齢はいったい何歳なのか、80年代の段階でどんなにがんばって上に40代くらいだが、それでは計算が合わない。81年には、どんなに若くても45歳以上でないと計算が合わないのだ。それが歳相応に見えないというのは、演じわけのまずさではなくて、設定としてそうなっているんだと思う。そのあたりの不思議さ、リアリティのなさが映画の最初から最後までずっと付きまとって、現実感をそいでいく。いちいち年代を確定させて語っていっているにもかかわらず、チャック(とペニー)は全く歳をとっていかないのだ。
 ならば、完全な夢物語にすればいいと思うのだが、基本的にはドキュメンタリータッチで、現実であるかのように描く。これはおそらく、そもそもの原作を嘘なんじゃないかと疑ってかかっているというあからさまなモーションだと思う。そのあたりがあからさま過ぎるところがあまり面白くない。『マルコビッチの穴』の1/2階みたいなまさに現実と夢の境目にあるような世界を舞台にしたほうがチャーリー・カウフマンのストーリーテラーとしての魅力が生きてきたのではないかと思う。
 監督術については言わずもがな。いろいろな要素を盛り込みすぎてうるさすぎる感があるが、ソダーバーグのおかげかクルーニーの実力か、可もなく不可もなくという感じだと思う。

 全体的に見ても可もなく不可もなくという映画で、謎解きもそれほど難しくなく、楽しみといえば豪華キャストを見ることくらい。ブラッド・ピットやマット・デイモンやダスティン・ホフマン(多分)が映る一瞬に映画的楽しみがある。