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ダブル・テイク

2003/6/8
Double Take
2001年,アメリカ,89分

 
            
     
 
 大きな銀行の重役であるダリルは朝ホテルを出たところで引ったくりに荷物を盗まれるが、別の男が引ったくりを捕まえ、かばんを取り返すことができた。しかし、その男が引ったくりと結託していたことを知って激怒。さらに引ったくりを捕まえた男が会社に訪ねてきて、その夜も取引先と出かけたファッションショーにも現れた。そして家に帰ると突然暴漢が襲ってくるが、間一髪のところでCIAエージェントのマクレディーに助けられたのだった。
 『ミッドナイト・ラン』の脚本家ジョージ・ギャロによるアクションコメディ、有名な役者も出ておらず、予算もおそらく少ないながらもよく練られたプロットでかなり面白い作品に仕上がっている。
監督 ジョージ・ギャロ
原作 グレアム・グリーン
脚本 ジョージ・ギャロ
    ガイ・エルムズ
    デニス・フリーマン
撮影 テオ・ヴァン・デ・サンデ
音楽 グレーム・レヴェル

出演 エディ・グリフィン
    オーランド・ジョーンズ
    エドワード・ハーマン
    ゲイリー・グラッブス

 

 

 
 

ダブル・テイク

 

 

 
 『ミッドナイト・ラン』はとても面白い映画で、私は好きなんですが、それがアメリカでTV映画としてシリーズ化され、3本作られてもいます。それも見たんですが、TV映画としてはなかなかの出来。その製作総指揮をしていたのがこの映画の監督で、他に目立った監督作はありませんが、ニコラス・ケイジ主演で『パラダイスの逃亡者』などという映画も撮っています。そのあたりから察するに、この人はどうも逃亡ものが得意な感じで、そのジャンルの映画はきっと面白いのでしょう。
 この映画の面白さはなんといってもそのプロットの複雑さ。昨日の『幌馬車』でも誰が味方で誰が敵かという問題を書きましたが、この映画はまさに誰が味方で誰が敵なのかまったくわからないまま物語がどんどん進んでいく。一体誰を信じていいのかわからない主人公がとりあえずの安全を求めてただただ逃亡していく、そんな物語。そしてその信用できるかどうかという範囲はどんどん広がっていき、物語に関係なさそうだった人まで巻き込み、死んだと思っていた人が死んでいなかったり、いろいろなことが起こってどんどん映画が回転していく。
 そんな単純に楽しめる映画としていいわけですが、何といっても主人公のふたり、エディ・グリフィンとオーランド・ジョーンズがいい。オーランド・ジョーンズは『エボルーション』に準主役級で出ていたりするらしく、B級映画界ではまあまあなのある存在という感じでしょうか。とにかくこのふたりの掛け合いとかコンビネーションがいい。これはやはり『ミッドナイト・ラン』のジャックとデューク(ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディン)を思い出させます。白人を黒人に置き換えることで映画全体の雰囲気を一新し、新しい感じにして出来上がりという感じだと思います。

 それ以外には、特になんということもありませんが、純粋にその逃亡劇だけを映画いたものだというところがなかなか優秀で、よくある映画のように恋愛に話をそらしてお茶を濁したり、アクションシーンの殴る蹴るで観客の興味をそらしたりしない。ついでに言えば、残虐なシーンもないし、犬も出てくるし(?)で、ファミリー向けにもいいのかもしれない。
 という必要最小限を満たした優秀な映画ということでした。