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ふたりの男とひとりの女

2003/4/6
Me, Myself & Irene
2000年,アメリカ,117分

 
            
     
 
 警察官のチャーリーは奥さんがどう見ても黒人の息子たちを産んだが、その真実に目をつむり、近所の人の陰口も聞こえないようにしていた。しかし、奥さんが男と家を出て行き、ひとり3人の子供を育てることに。十数年がたち、家ではあい変わらず愛される父親だったが、街では物笑いの種に。そんなチャーリーの積もり積もった鬱憤がある日爆発し、チャーリーは2重人格になってしまう…
 ファレリー兄弟とジム・キャリーが組んだとにかく笑いなコメディ。ファレリー兄弟らしく、下品なギャグ満載で、それを見事にジム・キャリーがこなしていく。とにかくドタバタ下ネタ連発、この能天気な明るさがアメリカン・コメディのいいところだが、もちろん受け付けない人もいるはず。
監督 ボビー・ファレリー
    ピーター・ファレリー
脚本 ピーター・ファレリー
    マイク・セローン
    ボビー・ファレリー
撮影 マーク・アーウィン
音楽 ピート・ヨーン
    リー・スコット

出演 ジム・キャリー
    レニー・ゼルウィガー
    クリス・クーパー
    ロバート・フォスター
    リチャード・ジェンキンス

 

 

 

ふたりの男とひとりの女 特別編

ふたりの男とひとりの女

 

 

 
 まあ、ギャグの内容はいいです。あまりに差別的だったり、下品だったりして笑えないギャグもあり、それは人それぞれの好みの問題。子供には見せないほうがいいかもしれませんが、大人なら見てみて、好き嫌いの判断はできるはず。見ないで決め付けるより、とりあえず見てみて笑えるところがあればそれでいいということ。なので、ギャグは皆さんがそれぞれ楽しんでいただければいいのです。 私がこの映画を見て思ったのは、ある意味で、アメリカン・コメディのプロットの典型なんだということ。2重人格なんていうモチーフはとても典型ではないと思うかもしれないけれど、そのふたりの人間がコメディの典型的なキャラクターを担っているという意味で典型的といえる。それは漫才のボケとツッコミではないけれど、ふたりが役割を分担して、笑いを作っていくという形で、古くはジャック・レモンとウォルター・マッソーの『おかしな二人』みたいな作品もある。
 この映画の場合は、それが二重人格の一人の人間がやっているわけだけれど、そのような人格の分裂(二重人格と精神分裂を混同して使う傾向がこの映画にはあったけれど、本来はまったく違うもの。それを含めて精神医学的には非常に問題が多い映画ではあると思う)の原因になったのが抑圧であり、二つの人格が互いを補完しあっているという面がある。この補完しあうということがまさに二人組みのコメディの典型なのだ。この映画では補完しあうのが一人の人間の二つの部分だからその補完具合は完璧。まさに阿吽の呼吸がそこにある。
 しかし、この映画のみそは、そこにとどまるのではなく、お互いが相手のやっことを知らないという設定にしている点だ。それによって第3の人物アイリーンがかかわってこざるを得なくなり、3人という笑いのコンビネーションが成立する。そして、そこのレニー・ゼルウィガーを使ったいうのはかなり正解。なんだか地味で魅力的なの稼動なのかわらからない感じで、とにかくお下劣な方向にエスカレートしていく映画に落ち着きを与える。これがキャメロン・ディアスだったら、お下劣さはとどまるところを知らず突っ走って、とても見れたもんじゃない映画になっていたかもしれない。

 ひどく下品で、見るにたえないという人もいるかもしれませんが、これぞアメリカン・コメディの王道、ジム・キャリーはやはりこういう役をやらなきゃいけない。ファレリー兄弟もこういう映画を撮らなきゃいけない。社会ではいろいろと難しいことがあるけれど、とにかく笑い飛ばしてしまえ!という姿勢がアメリカン・コメディの本質なんじゃないでしょうか。